四方山話
<お茶休憩>
2010.04.19 福山敦子
端から見ると指しか動かしていない様に見えるギタリストも立派な肉体労働者です。
なので口に入れる物には極力気を遣っています。
と、いうのも「今食べている物が10年後の貴方の身体を作ります」とか
「粗食は長寿」などと書かれている本を読むと
台所を任されている立場上”ひゃっぁ〜!!”と叫びたくなる位、食べ物の重要性が
ヒシヒシと伝わってくるからです。
その中でも最近の最もお気に入りの一冊は
石原結賓著「医者いらず」の食べ物事典(PHP文庫)です。
野菜、穀物、果実、魚介類などの各説明が面白く、
例えば
ピーマン:毛細血管を強化、爪や毛の発育に効果。などと書かれていて、すると
ピーマンを見る目も違ってくるし楽しくなっちゃいます。
もちろんビタミン何という種類を含んでいる等詳しく書かれています。
私はこの季節、無性に何故かショウガが食べたく毎日つまんでいます。
どうしてかなあ?と調べると気力、体力、免疫力を高める・・等々あり
ナルホド!どうりで今年は花粉であまり苦しんでいないなあ・・と、
とにかく買い物にもヒントをくれて寝る前には睡眠誘引までしてくれる・・
助っ人本です。
......to be continued or not
<技術は何歳まで向上するのだろうか?> 2(筋肉)
2009.11.30 柴田 健
例えば、i 指(右手人差し指)でギターの弦を弾く時を考えてみると、弾弦するには掌側の筋肉を収縮させることになる。しかしi 指には反対側(手の甲側)の筋肉も存在し、中指や親指側に動かす筋肉も存在する。つまり単純に考えると4方向に動かす筋肉が複雑に絡み合って一つの動作を行うことになる。
俗に言う「力を抜く」(脱力)とは、弾弦に関しては、掌側の筋肉だけを収縮させ、それ以外の筋肉は全て弛緩させておくことに他ならない。一見簡単に行っている(と思っている)行為も実は出来てる人はほとんどいない。
一般的に上手いと言われる人は、これらのことが自然に出来ていたり、訓練(知っている知らないは別)によって習得した人のことを言う。
本来人間は、筋肉が収縮していることは脳で知覚できるが、筋肉が弛緩してる状態は知覚できない。その弛緩している状態を知覚習得するのが「リラクゼーション」という分野である。その他、演奏家向けに書かれた「アレクサンダー・テクニック」や自己催眠法、ヨーガ、禅 etc.と書店に行けばリラクゼーション関係の書籍が数多く並んでいる。興味のある方は参考にしてください。
「ここで、脱力が出来たから演奏が上手くなるか?」と言うと、歯を磨いてから食事をするようなもので、本末転倒と云わざるを得ない。
「脱力が出来てないから演奏がうまくいかない」と言う人の中には、「実力をもうちょっと上げた方がいいのじゃないの!」と言いたい人が数多くいる。
ここに本番では実力が60%しか出ないと言う人がいるとする。その人が脱力法を収得し、本番で80%出せたとする。しかしこの人の実力は上がったわけではない。それより実力を150%にすれば脱力法を収得しなくても90%出せると言う変な理屈が成り立つ。つまり脱力法は①でも書いたが、弱点補強であって、レベルアップではないのである。
皆さん! 上達しにくくなったとき、「自分は脱力が出来ないからとか、・・・・だから」と言って練習方法がマンネリ化し、手を抜いていませんか? これも一種の回避行為である。
話は逸れるが、私はよく生徒から「私は才能がないから」「私は指は短いから」「私は歳だから」を耳にする。こういう人たちを私は「3から人間」と呼んでいる。こういう回避行為が染みついた人とはあまり話をしたくないものである。
脱力法も大事ではあるが、ここではまずレベルアップを図ることから述べることにする。
良い演奏をするには、技術が非常に大きなウエイトを占めることは間違いない。
演奏家はよくスポーツ選手に例えられる。確かに筋力をアップし、運動能力を上げることが実力につながるからである。ただスポーツ選手は運動能力の高いことが即結果につながるが、演奏家の場合、それは単なる手段でしかない所に大きな違いがある。しかし演奏家にとっても運動能力を上げることは必須であり、それを避けては通れない。
その前に「筋肉」とはそもそもどういうものであるかと言うことを知っておかねばならない。
筋肉は細い筋線維の集合体で、体を鍛えると最初は筋線維が太くなり、更に鍛えていくと筋線維の数が増えていく。逆に使わないとまず筋線維が細くなり、更に使わないと、数が減っていく。
筋肉は断面積1㎠当たり3〜4㎏の力を発揮する。これは全ての生物において殆ど変わらない。
筋肉の量は年齢とともに減りつづけ、一般に60才では20才の時の約75%になっていると云われている。
筋線維は大きく分けて「速筋線維」と「遅筋線維」に分類される。速筋線維は速く収縮し、発揮する力が大きいが疲労しやすい。遅筋線維は収縮力は遅いが持久力に優れている。速筋線維と遅筋線維の比率は遺伝で決まり、訓練をしてもこの比率は変わらない。しかし各々の筋肉は訓練によって運動能力を高めることが出来る。
一般的に男性は速筋線維が多く、女性は遅筋線維が多いと云われている。
マラソン・ランナーの筋肉は遅筋部分が多く、100mランナーには速筋部分が多い。遅筋線維は酸素を運ぶ血液が豊富なので赤く「赤筋」と呼ばれている。それに対して速筋線維は白いので「白筋」と呼ばれている。
魚の世界で見てみると、持久的に海遊し続けるマグロは「赤身」、瞬発力で俊敏に動くヒラメは「白身」なのである。
日本マラソン界の一時代を築いた瀬古利彦の速筋線維と遅筋線維の割合は3:7。日本人ばなれした
ストライド走法で驚異的な走りをみせた中山に至っては2:8である。そして天才スプリンターのカール・ルイスは8:2で速筋線維が多い。
カール・ルイスがマラソン・ランナーを目指していたなら彼の名は歴史に残っていなかっただろう。
......to be continued
<技術は何歳まで向上するのだろうか?> 1
2009.10.2 柴田 健
一言で言って、死ぬまでだろうか。自分の今のレベルと弱点を細かく知っているかが大前提になる。学者によれば、筋力アップは100歳まで可能だそうである。
音楽性においては、何もしなくても歳を重ねれば、それなりに向上していくものの、ことメカニックになると練習しない限りレベルアップは全く望めない。では何故音楽性は向上していくのだろうか。それは長く生きて行くと人生でいろんな経験を通して感性や思考が磨かれ、それが音楽に反映されるようである。音質や表現にこだわりが出てくるのもその所為である。コンクールを聴いていても、プロ部門よりも年齢の高い人が多い中級部門や上級部門の方が、ずっと面白いし勉強になる。
すぐれた演奏とは、豊かな音楽性とそれを引き出すテクニックがバランス良く両立していることである。プロの演奏家を目指す若い人は、技術偏重の傾向があるが、これはある面致し方のないことである。しかしこの状態が長期に渡ると大成は望めない。
一流の演奏家は、いつも音の向こうの音楽が豊かで明確に見えるが、そうでない演奏家は楽器だけを意識させ、音の向こうに見えるものが希薄であったり、薄っぺらかったりする。音楽性云々については又の機会に述べるとして、今回は誰もが気になるメカニック面に限って私なりの見解を述べることにする。
テクニックを向上させるには、大きく分けて2つ考えられる。1つは、自分の欠点(弱点)を補強してレベルアップを図ることと、もう1つは運動能力を上げてレベルアップを図ることである。
弱点補強から説明すると、プロとアマの大きな違いの一つに、自分の欠点に真っ向から直視し、立ち向かう姿勢の差がある。人間とは意識しない限り、嫌なことや自分の弱点に目を向けないように出来ているようである。例えば、スケールを弾くときiで弾き始める方が弾きやすいとか、mからスタートした方がうまくいくとかいうことはないだろうか? こういう人は片手落ちとは云わず、「片指落ち」という。スケールの先にどうしてもmで弾かなければならない音型が出てきた場合、逆算してどちらの指で始めるか決定しなければならず、好き嫌いは言ってられない。
次に自分が練習している曲とほぼ同レベルの曲で、何故か練習を避けている曲がある場合、その曲の持っている音楽が嫌いなのか、ただ弾きにくいから避けているか、そこの所をもう一度問い直して欲しい。そもそも音楽の好きな人間が、あの曲もこの曲も嫌いだということは、余り考えられない。曲の良さを認識できない場合もあるが、大抵は弾きにくいための場合が多い。こういう状態を、無意識に起こる「回避行為」という。回避行為はギターに限らず、生活面や仕事でも起こり得るので注意していただきたい。回避行為が癖になっている人は何事も成就できず、ギターに於いても俗に言われる「お嬢さん芸」で終わることが多い。まず嫌な曲から取り組んでいただきたい。そこにあなたを伸ばす鍵がある。
では具体的に基本中の基本からお話ししたい。まず「力を抜く」ことから。スポーツの世界でもよく言われる「力を抜け!」とは、実際すべての力を抜いていたのでは何もできないという屁理屈はさておいて、これはどういうことかと言うと、「必要な筋肉だけ力を入れて、使わない筋肉には力を入れるな」ということである。実はこれがすべてを語っており、これが出来る人はすでにプロ並みである。初回はシビアな話しになってしまったがお許し頂きたい。
......to be continued

