Shibata and fukuyama Guitar Duo Site

yomoyamabanashi四方山話


四方山話は 日々の雑談を 私見で 自由気ままに書きます。
お気に召さないこともあると思いますが お許しください。
クラシック・ギターに関することを書いたり、書かなかったり・・・
深堀したり、しなかったり・・・
不定期に、時間があるときに、思いつくままに・・・
以前、掲載したものも掲載して・・・

       2024: Ken Shibata / Atsuko Fukuyama

『技術は何歳まで向上する のだろうか?』 1

  by:柴田 健  2009.10.2

『技術は何歳まで向上する のだろうか?』、一言で言って、死ぬまでだろうか。
自分の今のレベルと弱点を細かく知っているかが大前提になる。学者によれば、筋力アップは100歳まで可能だそうである。
音楽性においては、何もしなくても歳を重ねれば、それなりに向上していくものの、こと メカニックになると練習しない限りレベルアップは全く望めない。
では何故音楽性は向上 していくのだろうか。
それは長く生きて行くと人生でいろんな経験を通して感性や思考が 磨かれ、それが音楽に反映されるようである。
音質や表現にこだわりが出てくるのもその 所為である。
コンクールを聴いていても、プロ部門よりも年齢の高い人が多い中級部門や 上級部門の方が、ずっと面白いし勉強になる。
すぐれた演奏とは、豊かな音楽性とそれを引き出すテクニックがバランス良く両立してい ることである。
プロの演奏家を目指す若い人は、技術偏重の傾向があるが、これはある面 致し方のないことである。
しかしこの状態が長期に渡ると大成は望めない。
一流の演奏家は、いつも音の向こうの音楽が豊かで明確に見えるが、そうでない演奏家は 楽器だけを意識させ、音の向こうに見えるものが希薄であったり、薄っぺらかったりする。
音楽性云々については又の機会に述べるとして、今回は誰もが気になるメカニック面 に限って私なりの見解を述べることにする。

テクニックを向上させるには、大きく分けて2つ考えられる。

レベルアップを図る

1つは、自分の欠点(弱点)を補強してレベルアップを図ることと、
もう1つは運動能力を上げてレベルアップを 図ることである。
弱点補強から説明すると、プロとアマの大きな違いの一つに、自分の欠点に真っ向から直視し、立ち向かう姿勢の差がある。
人間とは意識しない限り、嫌なことや自分の弱点に目 を向けないように出来ているようである。
例えば、スケールを弾くときiで弾き始める方 が弾きやすいとか、mからスタートした方がうまくいくとかいうことはないだろうか?
こういう人は片手落ちとは云わず、「片指落ち」という。
スケールの先にどうしても『m』で 弾かなければならない音型が出てきた場合、逆算してどちらの指で始めるか決定しなけれ ばならず、好き嫌いは言ってられない。
次に自分が練習している曲とほぼ同レベルの曲で、何故か練習を避けている曲がある場合、
その曲の持っている音楽が嫌いなのか、ただ弾きにくいから避けているか、そこの所をもう一度問い直して欲しい。

レベルアップを図る

そもそも音楽の好きな人間が、あの曲もこの曲も嫌いだと いうことは、余り考えられない。
曲の良さを認識できない場合もあるが、大抵は弾きにくいための場合が多い。
こういう状態を、無意識に起こる「回避行為」という。
回避行為は ギターに限らず、生活面や仕事でも起こり得るので注意していただきたい。
回避行為が癖 になっている人は何事も成就できず、ギターに於いても俗に言われる「お嬢さん芸」で終 わることが多い。
まず嫌な曲から取り組んでいただきたい。そこにあなたを伸ばす鍵がある。
では具体的に基本中の基本からお話ししたい。
まず「力を抜く」ことから。
スポーツの世 界でもよく言われる「力を抜け!」とは、実際すべての力を抜いていたのでは何もできないという屁理屈はさておいて、
これはどういうことかと言うと、「必要な筋肉だけ力を入れて、使わない筋肉には力を入れるな」ということである。
実はこれがすべてを語っており、これが出来る人はすでにプロ並みである。初回はシビアな話しになってしまったがお許しください。

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